熱帯魚の野外飼育につい

 最近、ビオトープの普及に伴い、従来の池での金魚等の飼育以外にも魚の野外飼育が一般化し
てきました。そこで飼育される魚はほとんどがメダカや金魚でしたが、日本といえども6月から9月までの
間であれば熱帯魚の野外飼育も温度という時点では可能なのです。問題は飼育設備や置き場所
ですが、ビオトープでメダカの飼育を経験した方ならエアーレーションや水換えなどしなくてもメダカが勝
手に繁殖すると事ご存知でしょう。飼育環境と飼育魚のバランスさえ取れていれば、極端な話、ろ過
器などなくとも魚の飼育は可能です。勿論、いくつかの注意事項はありますので順を追って具体的に
説明していきましょう。

野外飼育に適した熱帯魚

ここでは、一般的な野外飼育での飼育環境について説明していきますので、プールの様なイケスで大
型魚を飼育するなどの極端な例は除外します。
簡単なセットで飼える熱帯魚は赤ヒレやボララス等の小型のコイ科やアフリカンランプアイやシュードエピ
キュラス・アニュレータス等の小型のメダカが挙げられます。また、これは漠然としたカンですが、この設備
では何故か「南米産のカラシン類」は簡単に繁殖しないように思えます。

飼育器について

まず自分が思いついたのは庭に放置されていた容量が40リッター程度の衣装ケースです。思いついた
当初は水作フラワー等のエアーリフト式のろ過器を使用しようと思いましたが、水作りの為に入れたヒメ
ダカが勝手に増えていく様子を見て「ろ過器は必要ない!」と思い、本番でもろ過器は使用しません
でした。

設置場所について

夏の間、午前中は日が当たり、午後には木陰になる場所を選びました。今年の夏はご存知の通り異
常なまでの酷暑で午前中でも35℃を越える日が続いた為、直接日が当たる時間、水温は40℃近く
まで上がる事もしばしばありましたが、不思議な事に1匹たりとも死ぬ事はありませんでした。ここら辺も
通常の水槽での飼育との大きな違いかもしれません。

各種注意事項について

1、先にも述べましたが、水温が常に40℃以上になるような設置場所はNGです。日当たりが良すぎ
る場所に設置する場合は水温の上昇を防ぐ為、ヨシズ等の日よけが必要になります。
2、今回の野外飼育は太陽の力に依存する事柄が多い為、一日中日の当たらない場所も不可で
す。
3、一番気をつけなければいけないのは雨水の浸入による漏水です。水面すれすれにいる事が多い
稚魚はあふれた水と一緒に容器の外に流れ出てしまいます。今回は設置まであまり時間が取れなか
ったためオーバーフロー様のドレンを設置できませんでしたが、出来れば水道配管用のエルボーパイプ
にネットをつけたような簡単なドレンを設置したいものです。
4、また、容器に目いっぱい水を張った場合、魚が飛び出す可能性が大きいので、水は浅めに張りま
しょう。
5、野良猫やカラス等の外敵の被害は当初予想したほどではなく、ほとんど気にしなくても良いようで
す。

セッティングの手順について

気温が20℃を超え出した5月に衣装ケースと使い古したベビーバスに水を張り、ベビーバス(容量は20
リッター程度)には水面を覆うようにホテイソウとパイロットフィッシュとしてヒメダカを30匹ほど入れました。
エサやりは息子の仕事で、保育園に行く前に1日一回、人工飼料を少々与えるだけです。
やがて妻がホテイソウの根に無数の卵が産み付けられているのを発見!卵の産み付けられたホテイソ
ウを水だけ張って魚の入っていない衣装ケースに移動し孵化を待つ事にしました。そして一ヵ月後には
大量のメダカの稚魚が取れたため、親は店の販売用に回し、孵化した稚魚はうちの子供たちが通う
保育園に引き取ってもらいテストは終了です。その頃には当初はクリアだった水が完璧なグリーンウォー
ターになり、肉眼でもいろいろなプランクトンが沸いているのが確認できました。この時点でなにを繁殖さ
せようか?と考えました。当初予定では「スンダダニオ・アクセルローディ・デープブルー」を考えていました
が、タイミング悪く店の在庫が切れてしまい、その後、状態の良い個体が入手出来なかった為、断
念!その時、何故か売れ残っていたジェリービーンテトラを思い出し、決定!適当に20匹ほどを投入
しメダカの時と同じセッティングで飼育し、約一ヵ月後にホテイソウに生みつけられた発眼している卵を
発見。よくよく観察すると水面をすいすい泳ぐ3_ほどの稚魚も確認できました。今回は商業的に狙っ
た繁殖ではないので、孵化した稚魚を発見次第、別のガラスケースに移動するという方法を選びまし
た。本来ならば採卵し別水槽に隔離し、稚魚には「ブラインシュリンプの幼生」を与えれば稚魚の成
長も早まりますが、今回はあくまでも実験として人工飼料をすりつぶしたものしか与えませんでした。